※この記事は2021年5月に取材したものです。
奥田さん: 社会科の単元に沿って使えるプログラミング教材はあまりないと思いましたので、弊社の持っている地図を使って、主に社会科の単元に沿って、単元の学びとプログラミング思考が身に着く教材 を作っていければということで企画を進めました。 使用例としては、社会科の授業で「学校の周りを歩いてみよう」という単元で学校の周りを歩いて見つけたことをメモしてあとで発表するみたいなものがあるかと思います。そういった授業の場合には、まなっぷで自分たちの歩いた道をトレースするようにプログラミングを組んで、実際に”まにゃっぷ”という猫のキャラクターに地図上を歩かせながら発表をすることが出来ます。他にも、線を地図上に引いたり、地図記号や写真、動画を載せたり、いろいろな地図表現ができるようになっていますので発表する際に、どういうふうにするとより伝わりやすい地図になるかを考えながらプログラミング思考を養ってもらえればと考えています。
また、先生方も授業の準備などに追われてご多忙ですので、指導計画案と呼ばれる説明書をセットでお渡ししています。まなっぷを授業にどう活用すれば良いかのご提案や、プログラムをこのように組んで頂くと地図上にこのように表示されます、といったことが分かるようになっていますので授業設計の手間を軽減することが出来ます。指導計画案は、福岡教育大学の教授に監修 に入ってもらっています。
奥田さん: まさにおっしゃっていただいた通りで、地図が登場するシーンって学校生活の中で授業だけではなくて、総合学習の防災について考える時間とか、修学旅行の準備、地域のお祭りの準備だとかいろいろあるかと思うんです。なので、一応授業向けということでお出ししてはいるんですけど、地図が登場するシーン、いろいろなところでまなっぷが登場してくれると嬉しいなと思っております。
末吉さん:3年前になるのですが、学校でプログラミング教育が必須化するという話に対してゼンリンの強みを生かした教育を提供できないかと考えました。ゼンリンは毎年ビジネスプランコンテストを行っているのですが、同期の奥田を誘ってコンテストに参加して、優秀賞 を貰いました。その翌年に、教材の試作を作って北九州の小学校2校に授業で使って頂いた結果、先生にも児童にも大変興味を持って頂けた ので、教材を本格的に作るという話になりました。それから授業で使えるものを作り込みまして、2021年3月22日に本格的に小学校向けをリリースしたというのが流れです。
奥田さん:末吉も私も小さな子どもがいて、教育のこととか子どもの将来のことを自分事として考える ようになっていたタイミングということもありました。業務の中でスタートしたというよりはコンテストを活用して自分たちの希望で進めさせて頂いているという形になります。
末吉さん:先生たちに向けては、先生たちがすぐに授業で使えるようにする ことを意識して2つ工夫しました。1つは、Scratch(スクラッチ)という代表的なビジュアルプログラミングのUIに寄せることで、Scratchを過去に経験された先生方がスムーズに使えるようにすることです。もう1つは、まなっぷを使うための操作動画というものを準備しております。この動画があることで、授業の最初に子どもたちに動画を見てもらうことで、先生たちが最初に説明する手間が省けるかなと考えています。 子供たちに向けては、まなっぷを使うときに学年を選択することが出来て、3-4年生を選択すると2年生までに習った漢字以外はひらがなに変わり、5-6年生を選択すると4年生までに習った漢字になるという、子どもたちの学習の進捗に合わせて表記が変わる というところです。すぐに直感的に使いやすいように準備しているというのが工夫したポイントです
末吉さん:子どもたちが好きな動物って何?というアンケートで、いまは犬よりも猫の方が人気があるようでしたので猫にしました。あとは今のご時世というのもありますので猫のキャラクターであれば性別や年齢を意識せず抽象的、中性的に表現できるとも考えました。奥田さんが猫好きというのも前提にあると言えばあります(笑)
奥田さん:気に入っています。まにゃっぷという名前は上司が一発で付けました(笑)
奥田さん:3月22日にリリースしてから、毎日のように全国の小学校からお申込みをいただいています。
末吉さん:認知活動として全国の小学校、教育委員会にDMをお送りしました。そこを見ていただいて申し込みが増えたり、あとは私たちも実際に電話などで教育委員会にアプローチするという活動であったり、ネット等の記事をご覧いただいて申し込みが続いているのかなと。DMを投げてからもう2か月近く経つんですが現在でも1日数件ご連絡を頂いています。
末吉さん:今7つの学習指導計画案というものを準備していますが、まだまだこれだけでは不足かなと思っています。いろいろな教育関係の方々に実際に使ってもらって、それを受けて指導案をどんどん増やしていきたいなと考えています。
末吉さん:企画をはじめた当初のビジョンとしましては、子どもたちの未来、日本という国が数十年後も海外と戦えるような、ICTの高いスキルを持った子どもたちを育てていくための1つというところで使ってもらえたらということを考えていました。 まなっぷ自体で今どういうビジョンを持っているかというと、私個人の思いとしては、地図自体そんなに子どもたちから人気があるものではないと思っています。私も特に子どもの頃興味がなかったというのもあります。まなっぷに触れることで地図を面白いと思ってくれて、将来地図を使った何かしらの日本初のサービスを出してもらって、それが大きく社会を変えるようになってくれたらと。そのための最初の体験というところで、まなっぷが何かしら日本の未来につながってくれたらと思っています。
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テクテク編集部あとがき
プログラミング×地図というゼンリンさんの強みを活かす形で誕生したまなっぷ。国内旅行好きの一個人としての感想になりますが、まなっぷで学んだ子供たちが、地図を通して自分の身近な地域だけではなく、ちょっと遠い地域や観光地などにも興味を持ってくれて、もっと日本を好きになってくれたら良いなと思いました。