増田さん: 理系自体が子どもたちや親の世代には、苦手意識が強いと思います。私も文系ですけれど、本当に苦手です。理系の人たちが本当にうらやましいと思っています。ただ、最近「文理融合」という言葉もありますが、大学でも理数系の力が必要ですよね。100%文系だと今後やっていけないわけではないけれども、両方の力をつけて損はない時代に入ったことを知りました。 理系に苦手意識を持っている方が多いので、なるべくハードルを下げた教育玩具を意識して仕入れています。ダッシュくんもPCや他のデバイスを使わずに、プログラミングの最初のスタートを切れます。電脳サーキットも、ブロックで電子回路を組み立てることができて、理科の学習に役立ちます。学びを遊びに変えて、遊びながら育てることができる、遊んでいるうちに学びが身につく、というのがモットーですね。
増田さん: 本当にそうなんです。プログラミング学習では、こどもだけが学びを進めていて、親は教えられない状況もあるかと思います。お母様とかお父様がせっかく選んで購入しても、組み立てが難しいとかPCとの接続が面倒だったり、それだけで敬遠してしまう知育玩具も多いと思います。 ダッシュくんでは、アプリの中で英語が登場しますけれど、そこに辿り着くまでのプロセスはやはり遊びから入ることができていますし、組み立てもありません。最後にBlocklyというアプリにたどり着く頃には、このおもちゃ自体に愛着も湧いていると思います。遊びが優先でいいんじゃないか、そうでないと続かないよね、というところは結構こだわっています。
増田さん: 確かに。ダッシュくん自体が外人さんですから。この子はオバマ大統領にも紹介されたこともあり、本場のアメリカでも親しみやすい、ペット的なロボットとして人気です。日本人は海外よりお固い部分もあるけれど、ダッシュくんは英語で陽気に話しかけてくれるから、英語への抵抗も取ってくれると思います。
増田さん: 8年は経っていますね。1年に1・2作のペースで増えていって、今は10弾まで来ています。特にクリスマスを中心に売れている実績があります。プログラミングが社会に普及して、小学校で必修化され、社会的情勢もふまえて、ますます力を入れたいと思っています。そこにはこどもたちの苦手意識を取り払って、エンジニアをめざす理系のこどもたちのために一役買いたいという願望はあります。
増田さん: かなり好評ですね。特に電脳に関しては、苦手だった子たちがなぜかはまってという声もありました。「理系のものでブロックだからかっこいいし、男の子が好きそう」という単純な理由で買ったけれども、中に電子回路や電気の仕組みがあることがわかったという声もあったり、私たちが望んでいる「遊びから入って、学びに役立つ」という声が多く、感謝しています。サイト上での投稿も、真面目な感じでちゃんと書いてあるレビューが多いです。
増田さん: そうではないですね。これはアメリカ製ですけど、台湾製もあったりします。海外の製品は、日本にはない陽気さや楽しさを持っていますね。日本製はちょっと真面目ですから、気質が出ているのかも知れません。
増田さん: 取説に関しては、かなりこだわっています。「目で見てすぐわかる」を優先していますので。向こうではここまで詳しくないです。お母さんがその場にいなくても、こどもが1人で学べるよう、イラスト使いにもこだわっています。 写真とイラストでこと細かに見せるというところでは、電脳サーキットは取説が分厚いですし、、いろんな人が欲しがりますね。それぐらい丁寧さを大切に作っています。
増田さん: 正直、業務の流れでいつの間にかという感じです。私も文系で、こどもたちも英才教育を受けるタイプでもなかったので、ある意味、知育玩具自体をスルーしてきた部分もあります。最初は入りにくいというか。近しい人も特にいませんでした。 なので、知育玩具の選び方に関しては、お父様やお母様の気持ちがとてもわかります。せっかく商品を選んでも、内容がわからず「これちょっと無理、取説も見たくない」となるよりは、ダッシュくんには組み立てもないし、1人で遊べるところもあるので、保護者にとってのわかりやすさという面でクリアしていると思います。
増田さん: お母様は文系の方が多いでしょうし、玩具をお家に持って帰るという視点もやはり必要ですよね。 私の場合は最初からプログラミングが好きだったというわけではなく、ある程度の興味を持たなければいけない環境にいて、「どこにいい点があるのだろう」と商品の魅力を見出していった感じです。その結果、社会環境も変わってきているし、少しずつ面白いところを見つけながら、だいぶ抵抗が取れてきました。やはり知育玩具とはいっても、社会の様子含めての広がりで語っていくものなので、慣れるまでに時間がかかりますしね。
増田さん: プログラミングはこれからの時代に欠かせないので、絶対に継続していきます。そのためにサイエンス玩具研究所という体制があるので。プログラミングおもちゃへの思いは並々ならないです。
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テクテク編集部あとがき
広報として、プログラミング教材を担当することになった増田さん。未体験のチャレンジを進めながらも、ノウハウを蓄え、取材でのデモンストレーション時にも、楽しくご説明いただけました。理数系教育への不得手さは、きっと、どのママさんにも共通でしょうが、ちょっとしたきっかけさえあれば、簡単に飛び込め、こどもと一緒に熱中できる世界だと思えました。増田さんのように飛び込んでゆく力が、いまのプログラミング教育をめぐる環境に求められているのではないでしょうか。